税務最新情報
2024年11月01日号 (第521)
専門家の活用方法
今年も残すところ2か月となりました。10月は暑い日が残りましたが、冬はそれなりに寒くなるとの予報です。私の周りでは肺炎になる人などが出ていますので、寒暖差には気を付けて、体調を崩さないようにしましょう。
最近、50年も前の祖父の相続についての調停に関する事件があり、弁護士に相談する機会がありました。税の話ではないですが、専門家の活用方法について考えてみます。
専門家の活用
クライアントを訪問した際、「社会保険労務士や弁護士に依頼すべきか」との話題になることがあります。例えば、年金事務所の調査があり指摘を受けた場合や、会社の建物に車をぶつけられたけれども加害者との話が一向に進まないなど、問題が起きた時「どうしましょう?」との話になります。
感覚的には法人ですと、税理士へ依頼しているケースは9割以上という印象がありますが、社会保険労務士や弁護士となると顧問契約している事業者は、5割に満たない程度ではないでしょうか。
私は、基本的には専門家が周りにいた方がよいと思うので、弁護士や社会保険労務士の関与をお勧めしています。顧問契約をきっかけに、弁護士や社会保険労務士を上手に活用しているケースもあれば、しばらく契約を続けた後、お願いすることがないからと、契約をストップしてしまうケースもあります。
専門家の仕事の特徴
税理士の他、弁護士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などの士業と呼ばれる職業があります。
司法書士や行政書士に関しては、必要に応じて依頼をするケースが多いように感じます。司法書士であれば登記が必要な際に、行政書士であれば許認可の更新などの際に、という雰囲気でしょうか。
社会保険労務士については、従業員数が一定以上の場合だと、顧問契約をしている割合が増えるように思います。算定基礎届や従業員の入退社時の社会保険等の加入手続きなど、仕事が継続するので、顧問契約を締結して継続的に業務を依頼するという形態に馴染みます。税理士の場合も、帳簿の作成や法人税の申告など、手続きが継続するので顧問契約の形が多いように思います。
弁護士については、トラブルが生じたときにスポットで依頼するというケースの方が多いように感じますが、一定規模以上の会社の場合は、顧問契約をしているケースもよくみかけます。
いずれにしても専門家の活用はコストがかかるので、絶対的な答えはみつかりませんが、餅は餅屋と思うことはしばしばあるのではないでしょうか。
継続的な仕事がない場合の距離感
顧問契約で仕事をしている場合で、継続的な作業がない時があります。昔は定期訪問の後、飲みに行って雑談をする中で、いろいろと仕事の話が湧いて出てくるようなことがありました。時代とともに、直接面談するというケースが減っています。
私のクライアントで、私を上手に活用しているなと感じるケースは、直接電話で質問をしてくる社長さんです。ほどほどの規模の会社になると、経理周りや税金周りは経理担当者とのやりとりになるので、社長さんと距離ができがちです。そんな時、経営者側とちょっとしたことで電話のやりとりができる距離感は、仕事がしやすいです。
話は変わりますが、私の事務所では特段事件は起こらないものの、顧問弁護士がいます。年に何回か相談の電話をします。クライアントに法律的な問題が生じた際、その場で、携帯で直接クライアントと話をしてもらうケースもあれば、クライアントに弁護士事務所へ訪問してもらう場合もあります。私にとっては、顧問弁護士は絶対に必要な存在です。
敷居は高いかもしれませんが、社会保険労務士、弁護士などと程よい距離感で話ができる環境は、何かと助かります。現在、顧問の社会保険労務士・弁護士がいない場合は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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